リスティング
2016.8.21
「実はちょっと不安なんじゃないですか?」
こんにちは!広告運用マンのこぶらです。
このページに訪れた皆さんは「リターゲティング広告」という言葉を既にご存知の方が多いかと思います。
しかしながら、「自分の知識に抜け漏れは無いかな…」とか、「クライアントに聞かれたときに正しく説明出来るかな…」とか、「新入社員に分かりやすく教えられるかな…」といった不安を抱えられている方も、中にはいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は、そんな「今さら聞けないアナタ」のために、リターゲティング広告の基礎的な項目7つをまとめてご説明します!
まず「リターゲティング広告」という言葉の意味は、「過去にサイトに訪問したことのあるユーザーに対して出稿出来る広告」です。広告媒体によっては「リマーケティング」と呼ぶこともありますが、同義と捉えてしまって問題ありません。
要は、ユーザーを追いかけます。
とにかく、追いかけます。
どこまでも、追いかけます。
リターゲティング広告の「過去にサイトを訪問したことのあるユーザー」に対して広告を出稿する仕組みにおいては、「クッキー」と「タグ」というものがカギになります。
「クッキー」というのは、「サイトを訪問したことのあるユーザー(のブラウザ)に対して付けることのできる目印」のことで、「この人、前にウチに来たことあります!」ということを教えてくれるものになります。また、このクッキーが付いているユーザーをまとめて「ユーザーリスト」と呼びます。
「タグ」というのは、「訪問したユーザーに対してクッキーを付けるためにサイトに設置しておくもの」です。
これらのタグは各広告媒体から無料で発行されるものですが、設置するためにはFTP接続などをしてウェブサイトを編集する必要があります。
ワードプレスやショップサーブなどの一部のCMSでは、専門的な知識無しでタグを設置する方法が用意されていますが、基本的にはホームページ制作業者などに依頼して設置してもらうことをオススメします。
ちなみに、リターゲティングタグを設置するサイトは、広告主が所有するウェブサイトであれば、どのドメインのサイトでも問題ありません。
例えば、広告主が「楽器を販売するECサイト」と「部屋の防音工事をするサービスサイト」という、ドメインの異なる2つのサイトを所有しているときに、それぞれのサイトを訪れたユーザーに対して、もう一方のサービスのリターゲティング広告を出稿することも出来ます。
ただし上記したように、リターゲティング広告はサイトを訪問したことのあるユーザーの「ブラウザ」に対して目印を付けて追いかける仕組みのため、同じユーザーが一台のPCで「Internet ExplorerとGoogle Chrome」のように複数のブラウザを使っていたり、「PCとスマホ」のように複数のデバイスを使っていたりする場合は、残念ながらブラウザやデバイスを越えて追い掛けることは出来ません。
過去にサイトを訪問したことのあるユーザー(ユーザーリスト)を対象とした上で、広告の掲載場所を選択して配信出来るのもリターゲティング広告のメリットです。
リターゲティング広告ではGoogleやYahoo!などの検索結果ページはもちろん、様々な「アドネットワーク(ウェブサイトやブログ、ソーシャルメディアなど)」に対しても出稿することが出来るため、ユーザーへの接触機会を増やすことが出来ます。
要は、色々なところに出せます、
とにかくいっぱい出せます。
一部ではありますが、アドネットワークには下記のような種類があります。
Googleディスプレイ ネットワーク:GDN
Google社と提携している200万のウェブサイトで構成されるアドネットワークです。世界中のインターネットユーザーの90%以上を広告の出稿対象とすることが出来るネットワークです。
参照元:https://support.google.com/adwords/answer/2404190?hl=ja
Yahoo!ディスプレイアドネットワーク:YDN
Yahoo!ニュースやヤフオク!といったYahoo! JAPANのコンテンツページや、さまざまな提携サイトのコンテンツページに広告を表示出来るアドネットワークです。
参照元:http://promotionalads.yahoo.co.jp/service/ydn/
i-mobile(アイモバイル)
月間総広告配信数935億impを誇る日本国内最大級のアドネットワークです。楽天やNAVITIMEといったサイトに広告を表示出来るほか、広告主に対して配信媒体を全て開示しているため、ブランドイメージ毀損などのリスクを心配する必要がありません。
参照元:http://www.i-mobile.co.jp/
このように掲載場所が数多くあるため、出稿データを確認するのはもちろんのこと、広告の費用対効果を最適化するために、掲載場所の選定を都度行っていくことが重要です。
リターゲティング広告の料金体系は主に「クリック課金(Cost per Click:CPC)」と「インプレッション課金:(Cost per Mille:CPM)」の二種類から選ぶことが出来ます。
要は、見られただけでお金が掛かるか、
クリックされて始めてお金が掛かるかが違います。
GoogleやYahoo!などの検索結果ページに出稿する場合は、通常の検索連動型広告と同様にクリック課金での出稿のみになりますが、アドネットワークに対してディスプレイ広告を出稿する際には、条件付きにはなりますが、クリック課金かインプレッション課金かを選択して出稿することが出来ます。
CPC課金とCPM課金のメリットやデメリットについてはこちらの記事を参照してみてください。
■どちらで出稿すべき?CPC課金とCPM課金のメリットとデメリット
http://deliways.com/blog/listing/49
ここまででリターゲティング広告がどういう仕組みなのかは理解していただけたかと思いますので、実際の設定方法をご紹介します。
Step1 リターゲティングタグを設置する
リターゲティング広告を出稿するためには、過去にサイトを訪問したことのあるユーザーのリストを作成する必要があり、そのためにはまずサイトにリターゲティングタグを設置する必要があることは前述の通りです。
例えばGoogle AdWordsであれば、「共有ライブラリ」から「ユーザーリスト」から、
「タグの詳細」へ進み、
「設定方法」から「サイト用のアドワーズタグを表示」と進むことで、タグを発行することが出来ます。
あとはこのタグを社内のホームページ制作部門の方か、外部の制作会社様に依頼してウェブサイトに設置してください。
タグの詳細な設置方法は本筋からズレてしまうので割愛します。
またタグの設置が出来ないからといってリターティング広告の出稿を諦める必要はありません。もしウェブサイトにGoogle Analyticsが設置されているのであれば、そこからユーザーリストを作成することも可能です。
詳細は下記の記事を参照してみてください。
■GoogleAnalyticsのリマーケティングを活用しよう
http://deliways.com/blog/improvement/50-2
Step2 ユーザーリストを作成する
タグの設置が完了したら、ユーザーリストを作成します。単純に過去にサイトを訪問したユーザー全体をユーザーリストとすることも出来ますが、その他の条件も付け加えることでより費用対効果を高めることが出来ます。
例えばですが、「過去30日間にDeliwaysのリスティングとFacebookの記事ページの両方に訪問したユーザーのリスト」を作成することも出来ます。
Step3 ユーザーリストと広告グループを紐付ける
ユーザーリストを作成したところで満足してはいけません。ユーザーリストを広告グループに紐付けることで初めて、リターゲティング広告を出稿することが出来ます。
AdWordsで新しくリターゲティング用の広告グループを作成する場合は、「インタレストとリマーケティング–ユーザーの興味関心に基づいて表示される広告が決まります。」を選択して、「リマーケティングリスト」から広告出稿に使いたいユーザーリストを選択します。
AdWordsで既存の広告グループにユーザーリストを紐付ける場合は、広告グループの「ユーザーリスト」タブから「+リマーケティング」をクリックして、
ターゲット設定から「インタレストとリマーケティング」を選択し、カテゴリ選択から「リマーケティングリスト」を選択し、表示されているユーザーリストの中から広告出稿に使いたいものを選択します。
このようにしてユーザーリストに広告グループを紐付けることで、リターゲティング広告の出稿準備は完了になります。
リターゲティング広告を利用するメリットは、何と言っても費用対効果が高いことでしょう。再訪ユーザーのコンバージョン率は新規ユーザーと比べて何倍も高いことが多く、同じクリック単価を支払ってもコンバージョン単価を低く抑えることが出来ます。
そのためリターゲティングを活用するべき場合として最も多いのは、全てのユーザーをターゲットとした広告運用で費用対効果が悪いときです。
そのような場合は、まずリターゲティング広告を始めてみることをオススメします。
要は、やった方がお得です。
どう考えてもお得です。
詳細な活用方法についてはこちらの記事を参照してみてください。
■単にユーザーを追いかけるだけじゃない!?リターゲティング広告の活用法
http://deliways.com/blog/listing/127
実はリターゲティング広告は単に過去にサイトを訪問したユーザーに対して広告を出すのみでなく、ユーザーリストを利用した様々な出稿方法が可能です。
①検索リターゲティング(RLSA:Remarketing Lists for Search Ads)
検索リターティングは、「検索連動型広告を出稿する際に、ユーザーリストへ独自の単価調整率を加える手法」です。
それによりリストのユーザーに対して、入札単価を高めに設定して広告を上位表示させたり、逆に入札単価を低めに設定して下位表示させたりすることが出来ます。
例えば、過去にコンバージョンしたことがあるユーザーのリストを作成して、そのリストの単価調整率を-50%に設定すれば、過去にコンバージョンしたユーザーが広告をクリックしづらくすることが出来ます。
②動的リターゲティング(DRA:Dynamic Remarketing Ads)
動的リターゲティングは、「ユーザーが訪れたページに応じて見せる広告を変える手法」です。
例えば、洋服を販売するECサイトの中でも、メンズジャケットのページを見たユーザーに対しては、メンズジャケットのリターゲティング広告を出稿して、レディーススカートのページを見たユーザーに対しては、レディーススカートのリターゲティング広告を出稿することが出来ます。
リターゲティング広告は過去にサイトに訪れたことのあるユーザーに対して広告を出す手法なので、当然ながらサイト所有者でもある広告主に対しても、広告が出稿されてしまいます。
自分で支払った広告費が、一部ではあっても自分に対する広告出稿で消化してしまうことを受け入れられない広告主もたまにいらっしゃいますので、最後にその解除方法をご紹介します。
①利用ブラウザのクッキーを削除する
リターゲティング広告がクッキーをもとに出稿されているため、ブラウザからクッキーが削除されれば、当然ながらリターゲティング広告の出稿は解除されます。
この方法については各ブラウザの公式ページに詳細があるので、参照してみてください。
Internet Explorerのクッキー削除方法:https://support.microsoft.com/ja-jp/kb/278835
Google Chromeのクッキー削除方法:https://support.google.com/chrome/answer/95647?hl=ja
しかし、この方法では毎日サイトをチェックする方の場合、毎回Cookieを削除する手間が掛かってしまいます。
②そもそものユーザーリストに広告主を含めないようにする
Google Analyticsがサイトに設置されている場合、特定のIPアドレスを除外したユーザーリストを作成することが出来ます。
この手法であればユーザーリストに広告主が追加されることが無くなるので、最初の設定だけしてしまえば後々の作業は必要ありません。
まずGoogle Analyticsで広告主のIPアドレスを除外したビューを作成して、その次にそのビューでユーザーリストを作成するだけなので、少ない手間で広告主(が利用するIPアドレス)をリターゲティング広告の出稿対象から外すことが出来ます。
広告主のIPアドレスを除外したビューの作成方法はGoogle Analyticsの公式サイトを参照してください。
■内部トラフィックの除外
https://support.google.com/analytics/answer/1034840?hl=ja
「いかがだったでしょうか?」
今回は今さら聞けないリターゲティング広告の7つの常識をご紹介しました。
「見ておいて良かった」と思っていただける内容があったのであれば幸いです。
皆さんがリターゲティング広告をフルに活用して、リスティング広告の費用対効果を高められることを祈っております!
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